雷の原理とは?超わかりやすく解説!光・爆音はなぜ生まれるのか

雷の原理とは?
なぜ雷が発生するのか?

雷のたまご、誕生秘話から

  • 雷が光る原理
  • 雷鳴の爆音が起きる理由
  • 建物や窓が振動する仕組み
  • 雷の電気量はどのくらいなのか

について、文系の人や子供たちにも超わかりやすくお伝えします!

雷に向けて凧をあげたフランクリンについても紹介しますよ〜
(※この記事では、積乱雲から発生する雷について解説しています。)

雷発生の原理をズバリわかりやすく!

結論から言います!
雷発生の原理は、静電気の原理と同じ。

雷は、積乱雲の中で氷の粒がこすり合った摩擦によって、生まれます。

ということは雷発生の原理は積乱雲の中で氷の粒がこすり合って生まれる静電気」であるってこと。

「そんなこと知ってるわ!」と思う人

「えっ?そうだったの???」と思う人

「うすうす、静電気じゃないかなって思ってたんだよね。(^_^;)」っていう人

様々かと思います!

雷のたまご発生!積乱雲の中での奇跡の(?)誕生秘話☆

積乱雲っていうのは、地上から10kmくらい上空まで続くモコモコした大きな雲です。
※積乱雲について詳しくはこちらの記事をどうぞ。
↓  ↓  ↓ ↓ ↓ 
「積乱雲の特徴」

積乱雲は、雲の中では縦方向に一番大きな、ラスボス的雲

雲 種類 特徴

この積乱雲の高いところは、富士山の山頂より寒いんです。

寒いから、雲の粒は氷でできています。

そして、積乱雲の中では、上むきの風がビュービュー吹いていて(下向きの風も吹いています。)

氷でできた雲の粒は、風に流されて上に持ち上げられては

重力に引っ張られたり、下向きの風に流されて落ちてきます。

要するに、「氷の粒があっちこっちに動き回る」イメージ。

どの氷の粒も同じ速さで流されるわけではないし

大きな粒になったら、落ちてくるし・・・

雲の中は大小様々な氷の粒たちで、大混雑!

まるで牧羊犬に追い立てられる羊の群れのよう…

↑これは車に追い立てられる羊

積乱雲の中では、追い立てられる羊の群れのように大きな氷(あられ)や小さな氷たちがぶつかり合って、静電気が生まれます。

これが「雷のたまご」です。

「だから〜氷の粒がぶつかると、なぜ電気が生まれるの?!」って疑問については、次でお話をしましょう。

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そもそも摩擦で電気が発生する理由は何?

この世界を作っている小さなもの、それは「原子」。

大人の方なら、学校でなんとなく教わったはず。

小学生の方は、これから勉強しましょう!

さて、「原子」ってどんなものなのか

「太陽系」をイメージするとわかりやすいです。

原子には「原子核」があり、この「原子核」が太陽みたいなものです。

この原子核は「+(プラス)」の電気を帯びています。

そして、原子核の周りには、「電子」がぐるぐる回っています。

この「電子」は、地球や金星などの太陽系の惑星みたいなものです。

「電子」は「➖(マイナス)」の電気を帯びています。

この「原子」ってやつは、隣の原子とぶつかった時

いとも簡単に、ぶつかった原子に電子をあげたり、もらったりしちゃうのです。

電子をあげちゃった原子は「+」の電気を帯びているし

電子をもらっちゃった原子は「−」の電気を帯びています。

実はこの電気的に「+」や「−」に傾いた状態って、バランスが悪くって、お互いにどうにも居心地が悪いんです。

どうにも居心地が悪いので、バランスを取るために、電子をもらっちゃった原子が

「やっぱこの電子(−)いらないから返すわ。」

と電子(−)を(+)に傾いた何かに無理やり押し付けてくるのです!

私たちが時々経験する 静電気でドアノブを触って「バチッ!!!」ってなるのは、ドアから無理やり電子を押し付けられていたのです!
※人の皮膚は(+)に帯電します。

静電気め、全く迷惑な話ですよ。

でも静電気って、普通は同じ素材同士をこすっても、あまり発生しないんです。

実は雷の静電気は、こすって発生する静電気とはちょっと違う生まれ方をするのです!

雷の場合は・・・

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雷の静電気は特別な原理で発生してた!

雷の静電気は、氷同士の擦れ合いというより

ぶつかり合いで発生します。

雲の中イメージ図↓

大きな氷(あられ)に小さな氷がぶつかる↓

この「こすれ合い」はゴシゴシするというより、「ぶつかる」イメージです。

そして、大きな氷にぶつかった小さな氷は砕けます。

小さな氷は砕ける時に、さらに小さな氷片が生まれます。

小さな氷からは、更に小さな氷片と一緒に電子も飛び出します。

そして、マイナスの電気を帯びた小さな氷片は、あられにくっつくのです。

こうして大きな氷「あられ」は、マイナスの電気を帯びるようになります。
※100%ここで説明したようになっているわけではありません。

では小さな小さな氷がぶつかり合って発生した雷では、どれだけの電力が発生してるのか?!

雷はどれくらいの電力が発生しているのか

雷に単位なんてないですが…

「ピカッ!&ゴロゴロ→ドッカーン!」を

1雷(いちカミナリ)とすると1雷=約400kWh
引用:北川信一郎著「雷と雷雲の科学」 

ちなみに、我が家の2019年真冬1ヶ月間(12月〜1月)に使った電気

298kWh(関西電力の請求書より)

オール電化の家に住んでいた時は、600kWh以上使ってましたが

今は石油ストーブを併用する家に住んでいるので、300kWh以下です。

1雷=約400kWhなので

「1雷」で「1軒の家が1ヶ月で使う電力」をまかなえちゃいます!

雷の電気って、空に浮かんだ雲の中にある小さな氷がぶつかり合う摩擦から生まれるわけで

そのスケールはなんとも小さなものです。

その小さな電気も、チリも積もればこんなに大量の電気になるとは・・・

まったく、その辺の空気に放電しちゃうのって、もったいなく感じます!

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雷による稲光(稲妻)の原理

雷が光る理由は雷の溜め込んだ電気が「火花放電」するからです。

積乱雲の中で集められた電子(−)が(+)に向かって、一気に電子(−)を放つ(押し付ける)とき空気中を無理やり電子(−)が移動します。

電子(−)が空気中を無理やり通ろうとすると、空気中の原子が持つ電子がバランスを崩す。
バランスを崩された空気の中の原子は、元の安定したバランスを取り戻すためにちょっと電子を動かす。

この時、光が生まれる!

簡単に言うと、 空気中を電子(−)がムリやり通るときに、空気が「何すんねん、やめろや!」って抵抗するので光が発生するのです。

これが雷の光の原理。

雷の光は次の2パターンがあります。

  • 雲の中だけで光る場合(雲が光ってて稲妻は見えない)
  • 雲の外で光る場合(ジグザグに進む稲妻が見える)

雷が光る現象は「火花放電」と言われるのもので、乾燥した日に、静電気で「バチッ」ってなるときや、電車のパンタグラフが「バチッ」って光るときに見える火花と一緒です!

ちなみに、この火花放電の稲妻って普通は雲(上)から地上(下)に伸びるように見えますが、時々、地上(下)から雲(上)にの伸びる稲妻も存在します!

地上(下)から雲(上)に伸びる稲妻とは

地上(下)から雲(上)に伸びる稲妻は、まるで樹木のように見えることから「雷樹」とも言われます。

「雷樹」が起きるとき、地面(地上にあるもの)と雲との距離が近いです。

そして「雷樹」の時も普通の稲妻と同じで、電子(−)が移動します。

地上の(−)の電子が、雲の中の(+)の電荷に傾いた部分に向かって一気に移動するのです!

雷が下から上に伸びるのが見られるのは次のような時。

  • 背の低い雷雲が生まれやすい冬の日本海
  • スカイツリーのような背の高い建物

雷の稲妻の先と、地上や高い塔までの距離が100mくらいになると、地上から火花放電が進む「お迎え現象(私が勝手に呼んでいる)」が起こります。

東京に住んでいる人は、雷が鳴ったらスカイツリー方向を見てみると、稲妻のお迎え現象を観れるかも?!

こちらは火花放電装置が作るミニ稲光動画です。↓

このバチバチいう音!

なんとも好きになれない人は多いはず!

このバチバチ音も、ミニ雷の音なのですが…

なぜ音が鳴ると思いますか?

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雷の爆音(雷鳴)が生まれる原理

いきなり結論を言います。

雷鳴の爆音が起きるのは雷の熱で空気が破裂するから!

雷の稲妻、つまり空気中を電気が通るとき(電子が空気中を移動するとき)

電気の通り道の近くで、空気の温度は2万℃から3万℃まで一気に上がります。

温度の目安は

  • ロウソクの炎:約1400℃
  • ガスコンロ:約1700℃~1900℃
  • 鉄が溶ける温度:約1538℃~2800℃
  • ニトログリセリンの爆発:約4000℃
  • 太陽の表面:約6000℃

爆音を生んでいる雷鳴を起こしている温度は、なんとニトログリセリンの爆発どころか、太陽表面より高温になってたんですね〜

雷の電気によって、2万℃〜3万℃っていう、とてつもなく熱く熱せられた空気は瞬間的に膨らむ(膨らむっていうか爆発する)のです。(熱膨張)

この時、「空気が熱で膨らむ」速度が音速を超えていて、衝撃波が生まれます。
雷鳴=衝撃波による爆轟(ばくごう)

「音速を超える」とか「衝撃波」なんて、ヒーロー漫画に出てくるワードですよね。

雷って、静電気から生まれたくせに(?)火花放電からの音速を超える熱膨張→衝撃波まで生み出していたとは…

ちなみに、爆音と同時に家が揺れたりしますが、あれはなぜでしょう?

雷鳴と同時に建物や窓が揺れる理由

雷鳴と同時に家や窓が揺れるとき、逃げ場がなくて本当に恐ろしいですよね。

あの振動は衝撃波による圧力波(空振)←からぶりじゃないですよ!空気の振動!

  • 雷による衝撃波から近いところでは音(音波)だけではなく、圧力波も伝わってきます。
  • 圧力波とは空気の圧力による波なので、建物や窓ガラスが揺れるのです。

さて、今や当たり前のように「雷=電気」だと知られていますが…

「雷が電気」ということを、初めて発見した人ってどんな人でしょう?

そして、どうやって「雷が電気」だということを証明したのでしょう?

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雷の原理を証明した人

雷が電気だと初めて証明したのは、ベンジャミン・フランクリンです。

ベンジャミン・フランクリン

※私のイラストに対する苦情は受け付けておりません。

ベンジャミン・フランクリンは1706年にイギリスで生まれ、アメリカに渡ったのち、1790年に亡くなった政治家で物理学者で、発明家です。

当時の科学者は、「雷って電気じゃないかな〜」とは思っていたのですが、誰も証明できていなかったのです。

でもベンジャミン・フランクリンは違いました。

嵐の日に凧をあげて、雷の稲妻を捉えたのです!

フランクリンの考えた雷を捕まえる仕組みは、「嵐の日に凧をあげて、凧の根元を蓄電器につなげる」というもの。

もちろん、すぐにできたわけではありません。

何度も失敗を重ねた後、1752年の夏、フィラデルフィアで、雷雲が発生した時のことでした。

フランクリンは、手製の布張り凧を飛ばし、蓄電器をセット!

結果は大成功!!!

フランクリンは賢かった?

確かに賢かった。

でも、超運が良かっただけとも言えるのです。

のちに、ロシアのある科学者が同じ実験をして、落雷によって亡くなっています。

フランクリンは、本当に運が良かった・・・。

あなたは、雷雲があるときに、凧を飛ばさないでくださいね。

※ベンジャミン・フランクリンのやったこと

  • 元祖格言カレンダーの発明
  • 遠近両用メガネの発明
  • アメリカ独立宣言の起草
  • アメリカ公立図書館を設立
  • 元祖避雷針の発明
  • グラスハーモニカの発明
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雷の原理まとめ

  1. 雷の原理は、雲の中の静電気が集まったもの。
  2. 静電気が生まれるのは、雲の粒(氷)がぶつかって摩擦が起きるから。
  3. 雷光(稲光)が生まれる原理は、火花放電だった。
  4. 雷鳴の原理は、衝撃波による爆轟だった。
  5. 雷で建物や窓が揺れる原理は、衝撃波による圧力波だった。
  6. 雷の電気量は、1軒の家が1ヶ月に使う電気量より多い。
  7. 雷が電気だと証明した人は、ベンジャミン・フランクリン。※超運が良かった人。

雷について、本当はもっと言いたいことがある気象オタクの私です。

引き続き、雷についても、他の気象現象についても書いていくので、楽しんで読んでいってくださいね♪

※この記事では、積乱雲から発生する雷について書きました。
細かいことを言うと、雷は火山の噴火時や、積乱雲以外でも発生しうるものです。

爆音の雷鳴が聞こえたら、「雷までの距離」を知りたくなりますよね!
実は簡単な計算で、雷までのおおよその距離がわかるんです(о´∀`о)

自宅に雷が落ちたらどうなっちゃうの〜?