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エルニーニョ現象を簡単に言うと、「ペルー沖の海面水温が、平年より高い現象」です。
(※「ラニーニャ現象」は逆のことが起こります。)
遠いペルー沖で起きる現象なのに、日本でもよく話題になり、聞いたことがある人は多いと思います。
・・・そう、聞いたことはある。
でもよくわかんない!
そんなあなたのために、 気象予報士・晴野(はれの)が、難しい言葉抜きで超わかりやすくお話ししますよ〜!
エルニーニョ現象とは?超簡単にイラストで解説
エルニーニョ現象とは
南米ペルー沖で海水温が下がらないこと
(エクアドル〜ペルーの地元の人にとっては、年末頃に温かい海水が流れてくること)

細かいこと抜きでざっくり説明しますよ!
まずペルー沖の海では、いつも東風(貿易風)が吹いています。
その東風は海面付近の暖かい海水を西に流す働きがあります。

この東風の影響もあって、ペルー沖では海底から冷たい海水が流れてきます。(これを湧昇といいます。)
湧昇(ゆうしょう):海水が深いところから浅いところに湧くように上昇すること。
でも時々、どういうわけかこの東風(貿易風)が弱くなったり、他の要因もあったりで
冷たい海水の湧昇が弱くなることがあるのです。
つまり、ペルー沖で普段の海面水温より、温かい温度が続くと「エルニーニョ現象」ということになります。
では続いては〜以下の3点についてのお話。
- ペルー沖ってどこです?
- エルニーニョ現象の時って、海面の水温が何℃高いの?
- 海面の水温が高い状態がどれくらい続いたら「エルニーニョ現象」って言えます?

エルニーニョ現象が起きてるかどうかを観測されるのが、上図に示した場所です。
東部太平洋赤道域で、NINO.3海域(北緯5度〜南緯5度・西経150〜90度)と呼ばれる領域で、ここの海水の温度が上がっているかどうかでエルニーニョを判断します。
では次に、海面の水温が高い状態がどれくらい続いたら「エルニーニョ現象」なのかを説明しましょう〜
結論、「その年の前年までの30年間の各月の平均値」より月平均の温度が0.5℃以上高い場合。

でも1ヶ月の値だけでは判断できず、一定期間この現象が続かないとエルニーニョ現象とは言えません。その条件とは…
結論:「5ヶ月移動平均値」が、6ヶ月以上連続して+0.5℃以上になった場合。
5ヶ月移動平均値ってこういうこと
↓ ↓ ↓

「その年の前年までの30年間の各月の平均値」との差の「5ヶ月移動平均値」が、6ヶ月以上連続して+0.5℃以上になった場合に、エルニーニョ現象と言える。・・・
・・・なのですが!
それじゃあ「エルニーニョ現象が発生してます」じゃなくて「発生してました!」になるよねってことで
この5ヶ月間の温度差を平均した数値が、6ヶ月間以上連続して0.5℃以上高いと「こりゃあ、エルニーニョだよ!」と気象庁が発表するわけです。
じゃあ、エルニーニョ現象が起きたら、何が起きるのでしょうか?
エルニーニョになると何が起きるの?
エクアドル・ペルー沖の海水温が下がらないと・・・
- エクアドル・ペルー沖で漁獲量が減る
- エクアドル・ペルーあたりで雨が多くなって農業に被害が出る。
- エクアドル・ペルーあたりで洪水が起こる
- 東南アジアの雨量が減る
- 日本が冷夏になる(またはめっちゃ暑い)
- 夏のヨーロッパで雨が多くなる
などなど、「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいに
ペルーだけじゃなくて世界中に影響があるわけです。
でもこの現象、ペルー沖の海のせいではなく
エルニーニョ現象は
地球の大気の流れと連動している現象
なのです。
そもそも、ペルー沖の海水温が高くなるのは、1年中吹いている東風が弱まるから・・・という理由もありまして

海水の流れのせいで、天気がわかるわけじゃなく
風の流れが弱くなることで海水の流れが変わっていたり・・・
鶏か卵か、どっちが先?みたいな話なのです。
いつもの年と、エルニーニョの年を比べてみると・・・
これが普段の年の現象で

次が「エルニーニョ現象」が起きている状態です。

本当に、日本から遠いこのエルニーニョ 現象で、自分には関係なくない?と思いますよね。
わかります、わかります。
だけど関係あるんです。
では次に、エルニーニョ 現象が日本にどんな影響を与えてしまうのか、これまで起きたことを紹介しますー!
エルニーニョで日本にどんな影響が出るの?
基本的にエルニーニョ現象が起きている時は、「夏は冷夏&冬は暖冬」なイメージで良いと思いますが、もう少し詳しく言うと、以下のようになる傾向があります。
春

- 東日本・沖縄・奄美の気温が高い傾向
- 東日本・西日本で雨が多い傾向
- 西日本で日照が少ない傾向
梅雨

- 中国・四国・奄美・沖縄で梅雨明けが遅い傾向
夏

- 北日本と西日本で気温が低い(冷夏)
- 西日本で雨が多い傾向
- 北日本で日照少なめな傾向
秋

- 全国的に気温が低めな傾向
冬

- 東日本で気温が高めな傾向
- 東日本と沖縄・奄美で雨が多めな傾向
- 東日本で日照が少ない傾向
これまでエルニーニョ 現象が起きた時に、日本で観測された結果が以上です!
今までのエルニーニョ 現象の時に、日本に何が起きたのかを知れば、テレビやニュースで「エルニーニョ 現象が…」と言われた時は、過去の傾向から
「梅雨明けが遅くなるのかなぁ」とか
「夏は冷夏かも知れないぞ」など心構えくらいはできるかもしれません。
それにしても、このエルニーニョ現象って世界中で異常気象を引き起こすって言うのですが・・・、原因は温暖化だと思いますか?
というわけで、次はエルニーニョ現象と温暖化の関係についてです!
エルニーニョの原因は温暖化?
エルニーニョ現象の原因は地球温暖化だったりするのか?という質問には、こう答えるしかありません。
そもそも
エルニーニョ現象と温暖化が
関係あるかどうかわからない。
温暖化と関係あるのか?って研究している人もいるのですが、まだわかっていません。
明日・明後日の天気予報ならできるようになりましたが、地球規模の気象現象の研究って、本当に難しいんです。
止めるなんて無理っぽくない?と思ってるあなた!
正解です!
エルニーニョ現象は止められません。
エルニーニョ現象止めれるなら、大雨や台風を止めてるよね。うん。
【おまけ】エルニーニョの逆現象はラニーニャ
エクアドルとペルー沖の海水温が、平年より高くなる現象を「エルニーニョ現象」と言いますが、逆の現象は
ラニーニャ現象
と呼ばれています。
インドネシアなど東南アジアの方で、大雨になることがあります。

さて、「エルニーニョ」も「ラニーニャ」も、どちらもスペイン語の言葉ですが、なぜこんな名前になったかと言うと…
スペイン語でエルニーニョは、英語の「the boy」ですが、「神の子」という意味もあります。
もともとペルーの漁師さんたちが、クリスマスの頃に海水が暖かくなる現象のことを、クリスマスにちなんで「神の子(エルニーニョ)」と呼んでいました。
漁獲量が減るので、「神の子のいたずら」という意味でつけたのか、どうなのか(←わかってないんかい!)
ともかく漁師さんたちが、クリスマスごろに海水の温度が上がることを「エルニーニョ」と呼んでいたのが語源になっています。
「ラニーニャ」は英語で「the girl(女の子)」という意味です。
エルニーニョ現象のまとめ
エルニーニョ現象とは
- NINO.3の海域(ペルー&エクアドル沖)の海水温が平均値より高いこと
- 逆の現象をラニーニャ現象と呼ぶ
- 世界中で異常気象が起きる
- 日本へん影響は、梅雨明けが遅れたり、冷夏になる傾向
- 原因はわからない
なんだか原因もわからず、天気も「なんとなくこんな傾向」しかわからず、どうして良いのかわからない現象ですが、自然を相手に働く方々は本当に困っていると思います。
エルニーニョ現象の研究が、農家や漁業関係者へ役に立つ日が来ることを祈ります!