台風の「ヘクトパスカル」は何の目安になる?強さ・大きさ・規模との関係とは

台風の「ヘクトパスカル」って、何の目安になるのか、疑問に思っているそこのあなた!

今回は、台風の「中心気圧○○○ヘクトパスカル」が

  • 台風そのものの強さ
  • 風や雨の強さ
  • 大きさ
  • 高潮の危険度の高さ

などと
どう関係しているのか

どのように見ると目安になるのか

何ヘクトパスカルだったら危険なのか

など…深掘りして解説します!

台風のヘクトパスカルは台風の強さの目安になるのか

※そもそも「ヘクトパスカル」がわからない方は、こちらをチェックしてから続きをご覧ください。

台風の中心気圧(ヘクトパスカル)は、台風の強さの目安になるのか?!
その答えは・・・

少しは、目安になるよ。

台風の強さを決めるのは、○○○ヘクトパスカルだから!ではなく、最大風速です。

気象庁では、最大風速がどれくらい速いかで、台風の強さを決めています。

台風の強さは3段階で、表にまとめると下記のようになります。↓

台風の階級台風の最大風速
レベル1:強い33m/s以上・44m/s未満
レベル2:非常に強い44m/s以上・54m/s未満
レベル3:猛烈な54m/s以上

引用:気象庁

この台風の強さに、中心付近のヘクトパスカルがどう目安になるか…ですが

過去50個の台風(最盛期)の中心気圧(ヘクトパスカル)と最大風速とを照らし合わせた結果を表にまとめました。

台風の階級台風の最大風速中心気圧
(ヘクトパスカル)
強い33m/s以上・44m/s未満950hPa 〜
965hPa
非常に強い44m/s以上・54m/s未満915hPa

950hPa
猛烈な54m/s以上870hPa

920hPa
はれの
はれの

ちなみに、この階級に入らなかった台風たちの中心気圧は965ヘクトパスカルを超えていました

ヘクトパスカルっていう単位は、値が低いほど低気圧としてのパワーが強いので(相対的なものですが)

台風の中心気圧を目安にするなら(※数字が小さいほど強い低気圧)

  • 965ヘクトパスカル以下:強い台風
  • 950ヘクトパスカル以下:非常に強い台風
  • 920ヘクトパスカル以下:猛烈な台風

になる可能性が高いってことになります。

もっと多くの台風を調査したら、また追記しますね。

ヘクトパスカルの数値が低い(小さい数字の)台風が来るときは、風対策を忘れないようにして下さい。

窓に雨戸やシャッターがなければ、ガラス飛散防止フィルムを貼っておくと
被害を最小限にできます。

はれの
はれの

庭やベランダに置いている鉢植えなどは、屋内に入れましょう!

強い〜猛烈な台風が来ると、エアコンの室外機も動きます。
風が強い時間帯は、出来るだけ屋内にいるようにして下さい。

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台風のヘクトパスカルは風や雨の強さの目安になるのか

台風の中心気圧(ヘクトパスカル)は、風や雨の目安になるのか?!

その答えは・・・

はれの
はれの

風の目安にはなるけど
雨の目安にはならない。

ではヘクトパスカルと風・雨との関係を、さらに深掘りしていきます!

ヘクトパスカルと風の目安

気圧がすごく低い場合、周囲との気圧の差が大きくなるので、風が強くなります。

▶︎気圧差が大きいと風が強くなるしくみ

台風の強さは「最大風速」で決まるので、中心気圧が何ヘクトパスカルかという数値も、目安になりますね。
※中心気圧と最大風速をまとめた表はこちら

ただし、台風による風の強さは「台風の進むスピード」も関係します。

その理由は「台風の風速」が進行方向右側(東側)で強くなるからです。

台風の東側で風が強くなる理由については、こちらでお話ししています。

台風の東側で雨・風が強いのはなぜ?超文系の人にもわかりやすく解説

ヘクトパスカルと雨の目安

台風の雨の素は、海からもらう「暖かく湿った空気」です。

中心気圧が何ヘクトパスカルかではなく、雨が降る条件が揃うかどうかなのです。

例えば・・・

  • 台風の南側や東側では雨雲が多くなる
  • 台風の中心付近は背の高い雨雲が多くなる
  • 台風の風が当たる山の斜面(多くは南側)では雨雲が多くなる。

という傾向があります。

因みに、中心気圧約975ヘクトパスカルで長崎県に上陸した昭和51年の台風17号は

全国23箇所の地域で、総雨量1000mm以上の大雨を降らせました。

大雨になった原因は

  • 台風の移動速度がゆっくりだった。
  • 同時期に梅雨前線が停滞していた。

という要因もあるので、台風の中心気圧を雨の目安にするのは難しいですね。

はれの
はれの

もし中心気圧が超低くて、大雨を降らせる台風が来たら、早めに避難することを考えてください。

台風情報はラジオより
見てわかりやすいインターネットやスマホアプリからの情報が適しています。

日頃からモバイルバッテリーなどの準備をお忘れなく。

大型タブレットやスマホを何度も充電できるバッテリーなら、PowerCore 20100 Nintendo Switch Editionがダントツでおすすめです。

お次は「ヘクトパスカル」「台風の大きさ」の関係についてです!

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台風のヘクトパスカルは大きさの目安にならない!

台風の中心気圧○○○ヘクトパスカルは、大きさの目安にはならないです。

気象庁は台風の大きさを、強風域の大きさ(広さ)で決めています。

台風の階級風速15m/s以上の半径
大型(大きい)500km以上~800km未満
超大型(非常に大きい)800km以上

引用:気象庁

過去の台風の中心気圧と、

  • 強風域(風速15m/s以上の半径)
  • 暴風域(風速25m/s以上の半径)

との関係を調べてみても、

「○○○ヘクトパスカルだったら、大型の台風」とか
「○○○ヘクトパスカルだったら、強風域の大きさのわりに暴風域が大きい」などの

目安になるような関係は、さっぱり見えてこないんです!

ただ、面白い発見もありました!

過去の中心気圧900ヘクトパスカル未満の台風(17個)の
最盛期(一番中心気圧が低い時)の

  • 中心気圧
  • 強風域の半径

を集めると・・・※そもそも900ヘクトパスカル未満の台風って、多くはないので17個で勘弁してくださいね。

中心気圧900ヘクトパスカル未満の台風は
超大型より、ただの「大型サイズ」になることが多い!
(ただし、風は猛烈に強い)

ということがわかりました!

内訳は

  • 超大型:6個
  • 大型:9個
  • 大型未満:2個

なんと、大型未満のサイズの台風もいたのです!

大型未満の台風の中心気圧は

  • 890ヘクトパスカル
  • 880ヘクトパスカル

でした。

なぜ、中心気圧が超低い台風なのに、超大型の台風にならないのか・・・

はれの
はれの

中心気圧が低すぎると、中心に引き寄せる力が強すぎて大きくなれないのかも。

イメージはブラックホール!

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台風のヘクトパスカルは高潮の危険度の目安になる!

台風の中心気圧○○○ヘクトパスカルが、高潮の危険度の目安になる理由は

高潮の原因が

  • 気圧の低さ:低気圧による海水の吸い上げ
  • 風向き:風による海水の吹き寄せ

だから!

台風の中心気圧と高潮の関係をもっと突っ込んで説明しましょう。

何ヘクトパスカルならどれくらい海面が上昇する?

何ヘクトパスカルの気圧が下がれば、どれだけ海面の高さが上昇するのか?
その答えは・・・

1ヘクトパスカル下がれば
海面の高さが約1cm上昇する!

なんと気圧が、1000ヘクトパスカルから950ヘクトパスカルに下がると、50cmも海面の高さが上昇するんですよ。

はれの
はれの

その理由は、 「気圧」は「空気の重さ」であって

その「空気の重さ」は、「どれだけ空気に押さえつけられているか」ってことだから。

気圧が低い=空気が軽い

豆知識

1000hPa(約1気圧)は、1 cm2当たりに 1 kgの空気がのっているということ。

1 ㎡ なら 10t(トン)

なんと、アジアゾウのオスが2頭くらい!

ともかく…いつもそんなに重い空気を乗せている場所から、空気を減らす(気圧が低くなる)わけですから、押さえつけられていた海面の水位も上昇しちゃうのです。

この現象を、「海面の吸い上げ」って言います。←高校生ならテストに出るかも?

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高潮被害のお話

高潮の被害といえば、私たちが生まれる前・昭和34年の伊勢湾台風が有名です。

伊勢湾台風のアニメでは、家屋の1階が完全に水没した様子が描かれていました。

記録を見てみると、海面の高さが普段より3.45mも上昇していたのです。

この時の名古屋の気圧は958.2ヘクトパスカル。

普段の気圧(1気圧)が1013ヘクトパスカルなので、吸い上げ効果だけでも約54.8cm上昇した計算になります。

3.45mと54.8cmの差は、約2.9m。

ということは、伊勢湾台風の風による吹き寄せ効果は、約2.9mもあったことになります。

湾という地形だからこそ、ここまで酷い高潮になったわけですが、改めて、台風の力の凄さを思い知らされます。

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そもそも「ヘクトパスカル」って何?

気圧の単位だとは思ってたけど、そもそもヘクトパスカルって何なのか。

それはね。

日本で1992年から使われている気圧の国際単位。
数字が小さいほど、より低気圧である。

「ヘクト」は「100」という意味で、「パスカル」は科学者の名前

日本の気圧単位

  1. mmHg(水銀柱ミリメートル):〜1945年まで
  2. ミリバール(mbar):1945年〜1992年
  3. ヘクトパスカル (hPa):1992年12月〜現在

というように、単位の呼び方が変わった歴史があります。

mmHg(水銀柱ミリメートル)、教科書に出てきましたね〜懐かしい。

ミリバール(mbar)、子供の頃の天気予報で聞いたことがあります〜

はれの
はれの

パスカルは、若くして亡くなった天才科学者で哲学者で実業家で、あと他にも色々すごいことやった人です!

有名なのは、「パスカルの定理」とかですね。

聞いたことありますよね?

色々すごい人なので、圧力の単位に名前を使われるようになりまして・・・

1気圧=101325パスカル

桁が多すぎるので、100分の1に省略して1気圧=1013ヘクトパスカル 

となったのです。

なぜ1000分の1にして、1気圧=101キロパスカルにしなかったのか?

私の想像では、気圧の変化を表すのに、ちょうど良いのが1000分の1じゃなくて100分の1だったからではないかと思います。

はれの
はれの

天気図で気圧って表す等圧線を描くとき、4ヘクトパスカル間隔で描くからね。


これが10倍になると、0.4キロパスカルずつっていう表示になって、きっと見た目がゴチャゴチャします。

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まとめ

台風の○○○ヘクトパスカルは、

  1. 台風の強さの目安に、やや、なる。(絶対じゃない)
  2. 風の強さの目安になる。
  3. 雨量の目安にはならない。
  4. 大きさの目安にはならない。
  5. 高潮の危険度の目安にはなる。

ということをお伝えしました。

台風…というか、低気圧は奥が深いです。

▶︎台風の進路が曲がる理由についてはこちら

台風の東側が雨・風が強くなり理由を
文系の人にもわかりやすくお伝えしています。
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台風の風の吹き返しについて、いつからいつまで気をつけたら良いのか。
例を挙げて計算しました。
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台風や大雨で避難するタイミングとは?
急に避難するときは何を持っていけば良いのかを
お伝えしています。
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