ヨーロッパの台風情報(ecmwf)の見方と解説~予想進路・強さ・風速・天気図

最長10日先までの台風予報を見れる「ヨーロッパ中期天気予報センター(ECMWF)」の天気図って見辛い!

というわけで今回は、日本付近の台風について

気象予報の知識がなくてもわかる、ECMWFでの 

  • 予想進路
  • 予想される強さ
  • 予想される最大風速
  • 予想天気図

の見方をお伝えします。

はれの
はれの

あ、ちなみにECMWFはthe European Centre for Medium-Range Weather Forecastsの略です。

ECMWF】台風進路の見方

ECMWFの予想天気図から、日本付近にある台風の進路を見る方法をお伝えします。

  1. ECMWF tropical cyclones」のページを開き
  2. Latest tropical cyclone forecast」をクリック

すると、

  1. 台風の今後の進路予想進路パターン(アンサンブル予報の経路)
  2. 台風の今後の進路予想(確率ごと)
  3. 台風の経路トラック(これまでの経路)
  4. 台風の過去天気図(気圧・風)

などを見ることができます。

引用元:https://charts.ecmwf.int/

では順番に見方を解説しますね。

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台風の今後の進路予想進路パターン(アンサンブル予報の経路)

引用元:https://charts.ecmwf.int/

上の図は台風の経路予想のパターン。
「tropical cyclone plumes」を選択すると見れます。

台風の予想は、アンサンブル予報と言われる
「進路や強さのパターンをたくさん予報して、その平均や統計的に起こる確率が高い現象を予報値とする」
という方法でやるのです。

要するに台風の予報って、たくさんの予測値(コンピュータの計算による)から、

「今までのデータから計算すると、これじゃないかな〜?」

という方法なのです。※人生経験が豊富なおじいさんが、経験値で出している結果ではなく、ちゃんとスーパーコンピュータで計算してるのですよ。

台風の今後の進路予想(確率ごと)

このコンピュータの予想進路パターンから、高い確率で通る進路を予想したのが、こっちの天気図↓

引用元:https://charts.ecmwf.int/
  • 紫の部分は、台風が90%以上の確率で通ると予想されている部分
  • ●黒丸は、24時間ごとに予想される位置
  • ー実線は、予想経路
  • …点線は、予想経路の平均

上記の図は「strike probably」で見れます。

私たちが普段頼りにするべきは、気象庁の「台風情報」ですが、正直言ってECMWFのこの進路予想図は見やすいです!色分けが特に(^^)

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台風の経路トラック(これまでの経路)

次に紹介するのが、これまで進んできた進路跡(トラック)です。↓

引用元:https://charts.ecmwf.int/

実は↑この進路跡(トラック)に表示されている点(プロット)の色は、その位置を台風が通った時の風速を表しています。

意味は

  • (黄緑色):TD(TROPICAL DEPRESSION)=熱帯低気圧(最大風速17m/s未満)
  • (青色):TS(TROPICAL STORM)=台風(最大風速17m/s以上25m/s未満)
  • (赤色):STS(SEVERE TROPICAL STORM)=台風(最大風速25m/s以上33m/s未満)
  • ●(黒色):TYP/HUR(TYPHOON/HURRICANE)=台風(最大風速33m/s以上で「強い台風」

なお、気象庁で予報されていた風の強さや、アメダスで観測された数値と異なる場合があります。
ご注意ください。

海上では直接観測できないわけだし、誤差も大きくなるのかもしれませんね。

台風の過去天気図(気圧・風)

目当ての台風の「現在と過去の天気図」を見ることができます。

引用元:https://charts.ecmwf.int/

風速は、地上での10分間平均風速で、矢羽で表示されます。

矢羽は風の吹いてくる方向と、強さを表しています。

下の図だと、北北西から吹いてくる風で、強さは・・・

風速の単位「ノット」を「m/s」に直すと

  • 5ノット→3m/s
  • 10ノット→5m/s
  • 50ノット→25m/s

です。

だから下の図の矢羽は、45ノットで、23m/s。↓

最初はちょっと難しいかもしれませんが、要するに「線が多いと風が強い!」と覚えておいて下さい。

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ECMWF】予想強さレベル・気圧・風速の見方

台風の今後の

  • 強さレベル
  • 風速
  • 気圧

を見るには、右側のグラフを見て下さい。

右側に3つのグラフがありますが、それぞれの意味は・・・

  1. 台風の強さレベルの予想
  2. 10分間の予想平均風速(最大風速)
  3. 海抜0mでの台風の中心の予想気圧

横軸が日付になっています。

台風の強さレベルの色分けは

  • (黄緑色):TD(~17m/s)熱帯低気圧
  • (オレンジ色):TS(17~32m/s)台風
  • (赤色):HR1(33~42m/s)≒強い台風
  • (赤茶色):HR2(43~49m/s)≒非常に強い台風
  • ●(黒色):HR3(>50m/s)≒猛烈な台風

横軸の日付については世界標準時(UTC)の時間が使われています。

日本時間は「世界標準時+9時間」なので、

  • 00UTC=日本時間で9時
  • 12UTC=日本時間で21時

です。

「9時間早い」と思って見て下さい。

ECMWF】予想天気図

ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)で日本付近の台風を見るなら、こちらのECMEF chartsが見やすいです。

「Mean sea level pressure and 850 hPa wind speed」をクリックして…
「SELECT DIMENSIONS」をクリック
Area選択
South East Asia & Indonesia またはEastern Asiaを選択

この天気図では  

  • 地上天気図(海抜0m)の気圧
  • 約1500m上空の風の強さ

を、今日を含めて10日間先まで見ることができます。

10日も先の予報なんて、細かい部分はハズレます。

でも大まかな天気の傾向を知りたいときに、参考になりますよ。

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さいごに

日々の天気予報には、気象庁の天気予報が一番役に立ってくれますが

強い台風が来ると、電車は止まるし、行事は中止になるし、子供の学校は休みになるし・・・

やっぱり10日先まで台風の予報を見れるヨーロッパ中期予報(ECMWF)は便利ですよね。

天気図も最初は見辛いかもしれませんが、ECMWFの天気図はとにかくカラフルなので、感覚で見れるようになると思います。

それと、台風予報はECMWFだけではなく、必ず気象庁の情報も合わせてチェックするようにしましょう!