熱帯低気圧と温帯低気圧の違いをわかりやすく解説~構造と仕組み

熱帯低気圧と温帯低気圧、どちらも「低気圧」という名前がつき、雨が降ったり風が強くなったり…と、天気が悪くなりますよね。

この2つ、一体何がどう違うのか?

イメージ図を使って、文系さんにも超わかりやすく解説します!

低気圧のイメージをおさらい

※「低気圧がどんなものか、説明不要な方は読み飛ばしてください。
読み飛ばす方はこちら←click!

低気圧、中学校の理科で習いましたが
熱帯低気圧と温帯低気圧の違いをお話しするために、「低気圧のイメージ」をおさらいしておきます!

低気圧とは
  • 低気圧の目安はなく、周囲より気圧が低いってだけ。
  • 鳴門の渦の「気体バージョン」のイメージ。
  • 北半球の低気圧は、反時計回りに風が吹き込む。(南半球の低気圧は反対方向に回ります)。
  • 曇る・雨が降る・蒸し暑くなる・寒くなるなど一般的に不快な天気。

おさらいOKですか?
では行きますよー!

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熱帯低気圧と温帯低気圧の違いを一言で言うと?

熱帯低気圧と温帯低気圧、どちらも中心気圧は周りの気圧より低く
北半球では反時計回りにぐるぐる回っていますが
その違いを一言で言うと・・・

直立と斜め立ち!

二言目も言って良いなら、「生まれたところも、ざっくり違う」んです・・・
単純に

  • 熱帯地方で生まれた→熱帯低気圧
  • 温帯地方で生まれた→温帯低気圧

でもあるんですが、やっぱりそのたち姿は

  • 直立
  • 斜め立ち

くらい違う!

では、「直立」と「斜め立ち」ってどういうことか、もっと詳しくお話ししますね!

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熱帯低気圧と温帯低気圧の構造の違い

熱帯低気圧と温帯低気圧の構造は、「直立」と「斜め立ち」なので、上から見ても横から見ても違います!

「直立」とか「斜め立ち」って言っても、彼ら(?)はくるくる回っているものなので、言い方を変えると

熱帯低気圧と温帯低気圧の構造(回り方の違い)
  • 熱帯低気圧→直立→フィギュアのスピンっぽい回り方。
  • 温帯低気圧→斜め立ち→軸が斜めに傾いた3D陰陽マーク回り方。

※陰陽マークってコレです↓

ではもっと掘り下げてお話ししましょう!

熱帯低気圧の構造

熱帯低気圧の構造の特徴は、何と言っても

点対称!

そして

前線がない!

地上付近の天気図で見ても、5000mくらい上空の天気図で見ても
熱帯低気圧の中心の位置は、ほぼ同じ場所にあるんです。

さらに、熱帯低気圧は成長すると、中心(台風の目)に当たる部分の上には
暖かい空気が溜まるんです。

面白い構造ですね(^^)

温帯低気圧の構造

温帯低気圧の構造の特徴は、

生まれたばかりの頃、中心の軸が斜めに傾いて

そして

前線ができます!

温帯低気圧の軸は

最初の頃

→中心の軸は、上空に行くほど西に傾いている。

発達中

→軸は徐々に垂直に近く

発達後(発達しきった後)

→軸は垂直になる

↑上記の順番で温帯低気圧の軸は、成長過程で
「傾いている→直立する」と変わります。

そして並行して、おなじみの

  • 温暖前線
  • 寒冷前線

ができるのです。

では次に、熱帯低気圧と温帯低気圧の仕組みって、どう違うのか
エネルギー源や、発達の仕組みについてお話しします!

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熱帯低気圧と温帯低気圧の仕組みの違い

熱帯低気圧と温帯低気圧は、低気圧の力となるエネルギー源や発達の仕組みが違います。

その仕組み

熱帯低気圧と温帯低気圧の仕組み
  • エネルギー源(ご飯)が違う。
  • 熱帯低気圧も温帯低気圧も、エネルギー(ご飯)がなくなったら寿命を迎える。
  • 温帯低気圧から熱帯低気圧になることはない(見たことがない)が、熱帯低気圧から温帯低気圧になることはある。

では、それぞれの仕組みをお話ししましょう。

熱帯低気圧の仕組み(エネルギー源)

熱帯低気圧のエネルギー源は、暖かい海水です。

暖かい海水から、水蒸気というご飯をもらい
水蒸気をモグモグ消化(雲に変える)すると、大きなエネルギーになるのです。

もう少し詳しく言うと・・・

雲は気体の水蒸気ではなく、液体の水でできています。
水蒸気が水になる時、水蒸気は熱(エネルギー)を手放します。
(この熱を潜熱と言います。)

この水からもらうエネルギーで、台風は嵐を連れてやってくるのです。

温帯低気圧の仕組み(エネルギー源)

温帯低気圧のエネルギー源は、冷たい空気と暖かい空気の温度差です。

冷たい空気と暖かい空気がかち合うと
暖かい空気が上に昇ろうとするし
冷たい空気は下に潜ろうとします。

この上に昇ろう・下に潜ろうとする力が、温帯低気圧のご飯(エネルギー)になります。
ご飯(エネルギー)を消化すると、風が強まります。

もう少し詳しくいうと・・・
(※高校で物理学を学んだ人向けかも)

暖かい空気は軽く、冷たい空気は重い。

軽い空気と、重い空気が隣り合わせでいる時の「位置エネルギー」より
軽い空気が上にあって、重い空気が下にある場合の「位置エネルギー」の方が小さいです。

温帯低気圧の場合、位置エネルギーの大きい状態から、小さい状態に変わるので

「大」ー「小」=「余ったエネルギー」

となります。

この「余ったエネルギー」が、温帯低気圧の「運動エネルギー」になり、風が強く吹くようになるのです。

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違いをわかりやすくまとめると…

熱帯低気圧と温帯低気圧の違いについて、文章を読んでいるだけだとわかりにくいので表にまとめました。

熱帯低気圧温帯低気圧
構造点対称点対称ではない
回転軸ほぼ直立最初は傾いていて
徐々に直立する。
前線なしあり
エネルギー源温かい海水冷たい空気と暖かい空気
出身地熱帯(低緯度地域)温帯(中緯度地域)

2つの低気圧の大きな違いで面白いと思うのは、エネルギー源の違いです。

「温かい海水」をエネルギーとする熱帯低気圧は、陸に上陸すると弱っていくので、まるで魚類のようですね。

逆に温帯低気圧の名前は穏やかそうだけど、場所を選ばず発達できるわけですから、最強じゃないですか?!

ということは、熱帯低気圧と温帯低気圧、どちらが怖い???

熱帯低気圧の方が温帯低気圧より怖い?

熱帯低気圧は成長すると台風になって、毎年夏から秋にかけて、要注意な低気圧として注目されています。

一方、温帯低気圧は一年中、時に静かに、時に激しく雨を降らせる私たちにとっておなじみの低気圧です。

でもね。

時々、台風顔負けの猛烈な温帯低気圧も生まれるんです。

「爆弾低気圧」とか「猛烈な低気圧」などと呼ばれる低気圧のことなのですが
日本付近に発生した爆弾低気圧の記録は

中心気圧920hPa!
(2014年11月8日)

世界記録は、北極や南極に近い極地方で記録されていて、北極付近で

中心気圧 900hPa!
(1986年12月15日)

この低気圧で、イギリスの各地で洪水が起こるなど、大雨による被害が出たそうです。

中緯度にある日本だからかもしれませんが、台風や熱帯低気圧の方が怖いイメージありますよね。

でも「熱帯」・「温帯」などにこだわらず、「低気圧には注意すべき」って思っておきましょう。

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さいごに

熱帯低気圧と温帯低気圧の違いについて、がっつりお話ししました。

エネルギー源が違ったり、構造が違ったりしますが
低気圧ってことは同じです。

それに
熱帯低気圧から温帯低気圧に変わるのこともあるので、昆虫の変態みたいですね。
(※温帯低気圧から熱帯低気圧に変わるのは、聞いたことがありません。^^;)

今後、もっとわかりやすくお伝えできる方法がわかれば、また追記します。

それではまた!

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