第65回気象予報士試験実技試験解説

学科専門~過去問私的解説&考察~第65回気象予報士試験・問7

7:竜巻発生確度ナウキャスト

気象庁が発表している竜巻発生確度ナウキャストについて述べた次の文(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a)竜巻発生確度ナウキャストでは、気象ドップラーレーダーのデータなどから「竜巻が今にも発生する(または発生している)可能性の程度」を10km格子単位で解析し、その結果と1時間後までの予測を提供している。

(b)竜巻発生確度ナウキャストでは、数値予報で予測された上空の風や気温などの分布を用いて、竜巻などの激しい突風の発生に関連の深い指数を計算して、予測に用いている。

(c) 竜巻発生確度ナウキャストの1時間後までの予測に発生確度2が現れる地域には、竜巻注意情報が発表される。

(d)竜巻発生確度ナウキャストの発生確度1となっている地域では、発生確度2の地域より竜巻などの激しい突風が発生する可能性が低く、時間的にも発生までに猶予がある。

③ (a)正,(b)正,(c)誤,(d)誤

はれの
はれの

竜巻発生確度ナウキャストについての問題です。

(a)竜巻発生確度ナウキャストとは

(a)の「竜巻発生確度ナウキャストでは、気象ドップラーレーダーのデータなどから「竜巻が今にも発生する(または発生している)可能性の程度」を10km格子単位で解析し、その結果と1時間後までの予測を提供している。」は正しいです。

気象庁のHPには以下のように説明されています。

竜巻などの突風は、規模が小さく、レーダーなどの観測機器で直接実体を捉えることができません。そこで、竜巻発生確度ナウキャストでは、気象ドップラーレーダーなどから「竜巻が今にも発生する(または発生している)可能性の程度」を推定し、これを発生確度という用語で表します。

引用元:竜巻ナウキャストとは – 気象庁

竜巻発生確度ナウキャストは、10km四方の領域ごとに竜巻等の発生しやすさの解析結果を提供する情報です。  竜巻注意情報が発表されたときには、竜巻発生確度ナウキャストで竜巻等の発生する可能性が高まっている領域や今後の変化を確認することができます。  実況と1時間先までの予測を提供しており、10分ごとに更新しています。

気象庁:竜巻注意情報・竜巻ナウキャスト – 気象庁
はれの
はれの

問題文の前半も後半も正しいですね。

(b)指数の計算

(b)の「竜巻発生確度ナウキャストでは、数値予報で予測された上空の風や気温などの分布を用いて、竜巻などの激しい突風の発生に関連の深い指数を計算して、予測に用いている。」は正しいです!

竜巻発生確度ナウキャストでは、数値予報から得られる上空の風の強さ・向き気温・湿度のデータを活用しています。

これらをもとに、大気の不安定度を示す指数などを計算し、現在の積乱雲の状況(レーダー観測など)と組み合わせて予測を行っています。

参考資料
気象庁:配信資料に関する技術情報 第 450 号
気象庁:数値予報による大気状態の予測

(c)竜巻注意情報

(c) の「竜巻発生確度ナウキャストの1時間後までの予測に発生確度2が現れる地域には、竜巻注意情報が発表される。」は誤りです!

竜巻注意情報は、竜巻発生確度ナウキャストで20分後の予測までに発生確度2がかかる地域に竜巻注意情報を発表します。

参考資料:気象庁「竜巻注意情報との関係」

(d)発生確度1と2の違い

(d)の「竜巻発生確度ナウキャストの発生確度1となっている地域では、発生確度2の地域より竜巻などの激しい突風が発生する可能性が低く、時間的にも発生までに猶予がある。」は誤りです!

発生確度1は、発生確度2で見逃す事例を補うように設定しており、広がりや出現する回数が多くなります。

  • 発生確度2となった地域の予測の適中率:7~14%
  • 発生確度1の地域の予測の適中率:1~7%

発生確度1の適中率は2より低いですが、補足率は80%と高くなりますが、これは「時間的に発生までに猶予がある」という意味ではありません。

参考資料:気象庁「竜巻発生確度ナウキャストとは」

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