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- 気象予報士試験 実技試験でほぼ必ず使う地上気圧・降水量・風予想図の見方・読み方と、どこに着目したら良いのか。
- 地上等圧線は何hPaごとか。
- 降水量の等値線は何mmごとか。
- 地上気圧・降水量・風の組み合わせから何がわかるか。
予想気圧は書いてあるし、予想降水量も書いてある。風だって書いてある。
え、天気予報ってこれ1枚で良くないですか?
…と思考放棄状態になってても大丈夫!
毎日見ているうちに、ある日山の頂上に立ったかのように、見える景色が変わります。
では一緒に「地上気圧・降水量・風予想図」の見方・読み方をインプットしましょう〜
各要素の読み方
記号・略号 | 意味 |
太実線 | 等圧線:20hPaごと |
実線 | 等圧線:4hPaごと |
実線上の数字 | 地上気圧:1000hPaを基準に8hPaごと |
破線 | 前12時間積算降水量の等値線:10mmごと〜50mmまで |
+数字 | 降水量の極大値 |
矢羽 | 海上風(風向・風速) |
H | 高気圧の中心・高圧部 |
L | 低気圧の中心・低圧部 |
縦横破線網掛け域 | 高標高領域・3000m以上 |
縦破線網掛け域 | 高標高領域・1500m以上 |
地上気圧・風の着目点と読み取れること
- 気圧配置→風・天気を大まかに読み取れる。
- 風向・風速(矢羽)→海上の風を読み取れる。
- 等圧線の走向→矢羽がないところでも、おおよその風向を読み取れる。
- 等圧線の間隔→おおよその風の強弱を読み取れる。
試験では与えられた天気図(解析図・予想図)に日時が書かれているので、季節はわかっている状態ですよね。
そこから「冬季」→「気圧配置は西高東低となっている」→「どんな天気が予想されるか」などを読み取れますね。(日本海側で降雪が予想されるなど)
次に着目したいのが、等圧線の走向・間隔と矢羽で、おおよその風を読み取っていきます。
矢羽が記されているところは、矢羽の情報を優先。
矢羽がない領域では、等圧線の走向と間隔から考察します。
等圧線から風を読み取る場合に考えないといけないのは摩擦力。
地上で吹く「地上風」は、摩擦力が大きいほど大きな角度で等圧線を横切ります。
例えば陸上では等圧線に対して、30〜45°くらいの傾きになります。
(海上では15〜30°)
あとは、等圧線の間隔が狭ければ風が強い、その逆は風は弱い…というのはご存知だと思います。
じゃあどのくらいの間隔だったら、どのくらいの風なのかっていうと、だいたいの答えで恐縮なのですけど…
とりあえず地衡風の風速の式で考えてみます。
例えば緯度30°で、緯度1°の間隔で等圧線(4hPaごと)があったとすると…風速はおおよそ40m/sとなります。
40m/sって、強風というより暴風です(気象庁では25m/sを暴風としている)。
では緯度2°の間隔で等圧線(4hPaごと)があったとすると…風速はおおよそ20m/sとなります。
この場合は強風って言えるかな。
どっちにしても、立っているのも難しいほどの風です。(地衡風ですが)
また、緯度3°の間隔で等圧線(4hPaごと)があったとすると…風速はおおよそ13m/sとなります。
傘をさせない強い風ですね。
と、まぁ地衡風で話を進めており、地上では摩擦力もあってもっと風速は小さいということをお忘れないようお願いします。
降水量の着目点と読み取れること
- 予想降水量の値→前12時間に予想される積算降水量を読み取れる。
- 降水が予想されている位置→前12時間で降水が予想される領域を読み取れる。
- 前12時間の予想降水量から、前線解析に役立つ。
- 全12時間積算の予想降水量であることに留意
- 予想降水量・予想降水域の誤差に注意
予想降水量から「読み取れること」なんて改めて説明の必要はないとは思うのですが…
注意したいのは、前12時間積算の予想降水量だということです。
ずっと降っているかもしれないし、またはしゅう雨かもしれません。
つまりこの天気図では降水の性質まではわからないということです。
例えば、瞬間的に1時間に30mmくらいの激しい雨が降ったとして…1時間に2.5mmの弱めの雨が12時間降り続けた場合と予想される数値は同じになりますよね。
だから降水量だけではなく、他の天気図から読み取れる情報(風の収束・上昇流など)も併せて、そこで起きる天気を予想するようにします。
試験では、地上の前線の位置の特定に使うことが多いです。
その他、前線性の降水と違い、対流雲による降水の場合、場所も量も誤差が大きくなることを忘れずに。
【まとめ】地上気圧・降水量・風の組み合わせから読み取れること
この地上気圧・降水量・風予想図から読み取れることは…
- 気圧配置から、風・天気を大まかに読み取れる。
- 矢羽から、海上の風を読み取れる。
- 等圧線の走向・間隔から、おおよその風向・風速を読み取れる。
- 前12時間に予想される積算降水量を読み取れる。
- 前線の位置を読み取れる場合がある。
前12時間積算降水量の利用には注意が必要ですが、他の天気図と併せて見ることで、情報を鵜呑みにすることはなくなると思います。
予想天気図の中で地上気圧・降水量・風予想図は、日本がどこにあるのかすぐにわかり、一番見やすい天気図だと思います。
とりあず最初は、まずこの予想天気図を見て、次に高層天気図を見るようにすると楽に学べるのではないでしょうか。
自分なりの勉強法を、色々試してくださいね。
その他の天気図についてはこちら!