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- 気象予報士試験 実技試験でほぼ必ず使う850hPa気温, 700hPa鉛直流予想図の見方・読み方と、どこに着目したら良いのか。
- 850hPa等温線は何mごとか。
- 700hPa鉛直流は何℃ごとか
- 850hPaの気温・風から何がわかるか。
- 700hPaの鉛直流から何がわかるか。
- 850hPaの気温・風と700hPaの鉛直流の組み合わせから何がわかるか。
ちょーっといいですか?
前線を探すとき以外に、この天気図って何をどう見たら良いのですか?
あちこちに縦縞領域はあるし、太実線に矢羽が入り乱れて何がなんやらサッパリです!
…と遠い目になってしまっても大丈夫。
毎日見ているうちに、ある日山の頂上に立ったかのように、見える景色が変わります。
では一緒に「850hPa気温・風,700hPa鉛直流解析図/予想図」の見方・読み方をインプットしましょう〜
850hPa気温・風,700hPa鉛直流解析図と予想図の違い
850hPa気温・風,700hPa鉛直流解析図と予想図の違いは、「何時間予想図なのか」ということのみです。
「T=00」は 解析図 。
0時間後の天気図だから解析図。
「T=12」や「T=24」は 予想図。
12時間後や24時間後だから予想図。
各要素の読み方
記号・略号 | 意味 |
太実線 | 等温線:3℃ごと(850hPa) |
等温線上の数字 | 6℃ごとに記入(850hPa) |
縦細網掛け領域 | 上昇流域(700hPa) |
ー数字 | 上昇流極大値(700hPa) |
白抜き域 | 下降流域(700hPa) |
+数字 | 下降流極大値(700hPa) |
破線 | 鉛直流の等値線:20hPa/hごと(700hPa) |
縦横破線網掛け域 | 高標高領域・3000m以上 |
縦破線網掛け域 | 高標高領域・1500m以上 |
C | 寒気の中心(850hPa) |
W | 暖気の中心(850hPa) |
矢羽 | 風向・風速(850hPa) |
850hPa温度場・風の場から読み取れること
- 等温線を矢羽が横切っているかに着目
▶︎温度移流が読み取れる。(暖気移流・寒気移流) - 上記の温度移流の位置と時間変化から、温帯低気圧の発達程度を考察できる。
- 等温線の集中帯に着目
▶︎850hPa面の前線の位置が読み取れる。 - 風向・風速から、風の低気圧性循環・収束を読み取れる。
850hPa面における等温線の集中帯が前線解析の重要アイテムなのは、周知の通り。
地上天気図に前線がなくても、850hPa面に等温線集中帯があれば、そこには前線的な何かがあるかも!と想像してください。
また、前線解析に矢羽(風向・風速)をチェックすることも大事です。
でも850hPa面の温度場と風の場から読み取れることは前線だけじゃなくて、温度移流から低気圧の盛衰を読み取れるのです。
温度移流の明瞭さ(強さ)や時間の経過に伴って、どう変わるのかも着目してください。
もう一つ。
850hPaの高さは地上から約1500mなので、地上のおおよその気温を予測することもできます。(正確ではないです。)
850hPa面での気温にプラス10℃くらいが地上の気温と考えられます。
このことから、冬の降水が雨になるのか雪になるのか、ざっくりですが予測できます。
地上の気温で4℃(乾燥している場合)以下で雪になる可能性があるので、850hPa面のー6℃の等温線が雪が降る目安になりますね。
700hPa鉛直流から読み取れること
- 特に上昇流(マイナス)の位置と値の小ささに着目
- 上昇流・下降流の値の変化に着目
▶︎値の変化から擾乱の盛衰・動きを読み取れる。
よく目安になると言われている上昇流の値は、ー30hPa/hです。
ー30hPa/hより小さい値、例えば「ー80hPa/h」などには敏感になりましょう!
寒冷前線のあたりだと、ー30hPa/h〜ー100hPa/h くらいの値がゴロゴロしてます。
台風の中心付近では、ー100hPa/h以下の値も普通に見ますよ。
また低気圧などの擾乱付近の上昇流域だけではなく、下降流域も着目します。
低気圧の進行方向前面の上昇流、後面の下降流の位置、時間経過とともに、どのように変化しているのかで、その擾乱の盛衰も予想できますからね。
【まとめ】850hPa気温・風,700hPa鉛直流の組み合わせから読み取れること
この850hPa気温・風,700hPa鉛直流解析図/予想図から読み取れることは…
- 前線の位置
- 温度移流
- 鉛直流の向きと強さ
- 擾乱の盛衰
- 地上気温の予測
- 降雪の可能性
その他の天気図についてはこちら!