学科一般~過去問私的解説&考察~第66回気象予報士試験・問4

問4:氷晶核や凝結核として働くエーロゾル

降水過程において氷晶核や凝結核として働くエーロゾルに関して述べた次の文(a)~(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a) 大気中では一般的に氷晶核として働くエーロゾルの数の方が、凝結核として働くエーロゾルの数よりもずっと多い。

(b) 氷晶核として働くエーロゾルは、主に土壌から大気中に舞い上がった鉱物粒子である。

(c) 水溶性のエーロゾルを凝結核として形成された微小水滴に対する飽和水蒸気圧は、同じ大きさの純水の微小水滴に対する飽和水蒸気圧よりも高い。

(a)(b)(c)
①正正誤
②正誤正
③誤正正
④誤正誤
⑤誤誤誤

④(a)誤,(b)正,(c)誤

(a) 氷晶核と凝結核の数について

問題文

(a) 大気中では一般的に、氷晶核として働くエーロゾルの数の方が、凝結核として働くエーロゾルの数よりもずっと多い。

(a)は誤文です。大気中では、凝結核の数の方が氷晶核よりも圧倒的に多いです。

凝結核(水滴を作る核)は空気1リットル中に数万〜数百万個も存在します。

一方、氷晶核(氷の結晶を作る核)は非常に貴重で、マイナス10℃の環境でも1リットル中に1個程度しかありません。そのため、文面は逆であり誤りです。

(b) 氷晶核の主成分について

問題文

(b) 氷晶核として働くエーロゾルは、主に土壌から大気中に舞い上がった鉱物粒子である。

(b)は正文です。問題文の通り、氷晶核の多くは土壌由来の鉱物粒子(黄砂など)です。

鉱物粒子の結晶構造は、氷の結晶構造とよく似ています。

そのため、水分子が集まって氷の組織を作りやすく、優れた氷晶核として働きます。

(c) 水溶性溶液の飽和水蒸気圧について

問題文

(c) 水溶性のエーロゾルを凝結核として形成された微小水滴に対する飽和水蒸気圧は、同じ大きさの純水の微小水滴に対する飽和水蒸気圧よりも高い。

(c)は誤文です。水溶性の物質が溶けた水滴の飽和水蒸気圧は、純水の水滴よりも低くなります。

物質が水に溶けると、溶けた粒子(溶質)が水分子の蒸発を邪魔します(溶質効果)。

蒸発しにくくなるということは、それだけ飽和水蒸気圧が「低くなる」ことを意味するため、誤りです。

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