放射霧とは、地面付近の空気が放射冷却などで冷やされて発生する霧のこと。
放射霧は、晴れた夜間に地表面から熱が放射されること(放射冷却)によって、地表付近の空気が冷やされ、その空気中に含まれる水蒸気が凝結して発生する霧である。
放射霧の発生条件
放射霧の主な発生条件は、晴天と穏やかな風です。
夜間、上空に雲がなく、風が弱いことで放射冷却が起きます。
この放射冷却が放射霧の発生に重要な役割を果たします。
逆に雲があると、地表面から放射された熱が雲に吸収・反射されて宇宙空間に逃げにくくなります。
また、風が強いと、地表付近の冷たい空気と上空の比較的暖かい空気が混ざり合ってしまい、地表付近の気温が下がりきらないため、霧が発生しにくくなります。
放射霧の発生プロセス
- 地表面の冷却
晴れた夜間に、地表面が熱を放射し、次第に温度が下がる。 - 空気の冷却
地表面の温度が下がると、それに接している地表付近の空気も伝導によって冷やされる。 - 水蒸気の凝結
冷やされた空気は含むことができる水蒸気の量が減少するため、空気中の水蒸気が飽和状態に達し凝結する。 - 霧の発生
これらの小さな水滴が空気中に浮遊することで、霧として観測される。
放射霧の特徴
- 発生しやすい条件: 晴れた夜、風が弱い、湿度が高い場所。
盆地や谷など、冷気が溜まりやすい地形でも発生しやすい傾向があります。 - 時間帯: 夜から明け方にかけて発生しやすい。
- 消滅: 日の出とともに地表面が温められ、気温が上昇すると消滅することが多い。
- 範囲: 一般的に、他の種類の霧に比べて局地的に発生することが多い。
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