フェーン現象とは
山越えによって空気塊の気温が上昇する現象のこと。
要するに、「湿った空気が山を越えて、山の麓に降りてくる過程で温度が上がる現象」のこと。
(※ドイツ語のFöhnが語源で、南から吹く風っていう意味です。)
フェーン現象の起きるしくみ
空気が山の斜面を昇るとき
空気の塊を、そのままの状態で山の斜面を昇らせる(高いところに持っていく)と、気圧が下がるので、気温が下がります。
気温が下がると、飽和水蒸気量(空気が含むことのできる水蒸気量)が下がるので、水蒸気が凝結(雲ができる&雨が降る)
山が高ければ
気圧も低い→空気の温度も下がる→水蒸気がどんどん雲になる→空気が乾燥する。
この時、水蒸気が雲(水)になることで、熱(潜熱)を出し
空気を温めます。
結果:山の下にいる時より、山の上に昇った空気の方が気温は低いですが、気温の下がり方が緩やかです。
空気が山を降りるとき
山を昇るときに、水蒸気を雲に変えてしまい、乾燥してしまった空気は
山を降りる時、気圧の上昇とともに気温が上がります。
空気は、水蒸気からもらった熱を持って
山を降りてきます。
結果:「山を登る前の空気の温度+水蒸気からもらった熱」で、山を登る前より高い温度の空気になります。
もし乾燥した空気が山を超えたなら、そのまま山の斜面を昇って降りてくるだけなので、温度は何も変わらない(山の麓の標高が同じの場合)。
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