光電離とは、太陽からの高エネルギーの光(紫外線やX線など)が大気中の原子や分子に衝突し、それらから電子を弾き飛ばすことによって、陽イオンと自由電子に分離させる現象のこと。
このプロセスは、地上約60~800 kmの上空にある電離層(イオン層)を形成する主要なメカニズムです。
光電離と光解離はどちらも太陽光によって引き起こされますが、原子や分子に与える影響が根本的に異なります。
光電離(Photoionization)
- 現象: 高エネルギーの光子(主に紫外線やX線)が原子や分子に衝突し、電子を弾き飛ばしてイオン化(電荷を持たせる)させます。
- 結果: 化学結合は切れませんが、電荷を持つイオンと電子が生成されます。
- 場所: 主に大気上端付近(電離層)。
- 例: 酸素原子( O )が光を吸収して酸素イオン(
O+ )と電子(
e− )になる。
O + Photon (UV/X-ray) → O+ + e−
光解離(Photodissociation / Photolysis)
- 現象: 特定の波長の光子(主に紫外線)が分子に吸収され、その分子内の化学結合を破壊します。
- 結果: 分子がより小さな中性の原子や分子に分解(解離)されます。電荷は持ちません。
- 場所: 成層圏(オゾン層)から上空にかけて広く発生します。
- 例: 成層圏でフロンガスやオゾン(
O3 )が紫外線を浴びて分解される反応。
O3 + Photon (UV) → O2 + O
光電離・光解離の違いまとめ
| 特徴 | 光電離 (Photoionization) | 光解離 (Photodissociation) |
|---|---|---|
| 主な結果 | イオン化(電子を放出) | 分解(結合を切る) |
| 生成物 | イオンと自由電子 | 中性の原子や分子 |
| エネルギー | 非常に高い(X線、極端紫外線) | 比較的低い(紫外線) |
| 主要な場 | 電離層(大気上端) | オゾン層(成層圏)など |
簡単に言うと、「光電離」は電気的な状態(電荷)を変え、「光解離」は物質の構造(化学結合)を変える現象です。

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