線状降水帯とは、厳密な定義はないが、気象庁HPでは次のように説明している。
次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域。
引用:気象庁HP
つまりこういうこと
- 幅:20~50km程度
- 長さ:50~300km程度
- 時間スケール:数時間
- 動き:ほぼ同じ場所を通過又は停滞
- 構成する雨雲:組織化した積乱雲軍
線状降水帯が発生したことを気象庁が発表する時の条件は以下のようになっている。
1.解析雨量(5kmメッシュ)において前3時間積算降水量が100mm以上の分布域の面積が500km2以上
2.1.の形状が線状(長軸・短軸比2.5以上)
3.1.の領域内の前3時間積算降水量最大値が150mm以上
4.1.の領域内の土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)において土砂災害警戒情報の基準を実況で超過(かつ大雨特別警報の土壌雨量指数基準値への到達割合8割以上)又は洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)において警報基準を大きく超過した基準を実況で超過
引用:気象庁HP
線状降水帯と表現される降水帯の構造は、複数の積乱雲軍の集合体でメソ対流系の一種。
西日本・九州地方で発生しがち。
線状降水帯によって起きた災害
- 平成26年8月豪雨(2014年):広島県広島市
- 平成27年9月関東・東北豪雨(2015):栃木県鹿沼市
- 平成29年7月九州北部豪雨(2017):福岡県朝倉市,大分県日田市
- 平成30年7月豪雨(2018):広島県広島市,福岡県北九州市
- 令和2年7月豪雨(2020):熊本県球麿村,福岡県大牟田市
晴野のコラム
2014年の豪雨(平成26年8月豪雨)くらいから「線状降水帯」という言葉が浸透してきましたが、初めの頃は気象予報士の中でも「線なのか?帯なのか?」という「このネーミングどうなん?」という話も出てました。
その後は次第にテレビなどの気象解説で用いられるようになり、2022年6月1日より予報が始まりました。
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