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温暖コンベヤーベルト(WCB)

温暖コンベヤーベルト(Warm Conveyor Belt: WCB)とは、低気圧の中心に向かって低緯度側から流れ込む、暖かく湿った強い気流のこと。

要するに、温暖コンベヤーベルトというのは、温帯低気圧の南西側から流入し、温暖前線を形成したり、バルジを形成したりする暖湿気の流れのこと。

この気流は、上層の気圧の谷の東側に位置し、高い相当温位を特徴としています。

温暖コンベヤーベルト(WCB)の動きとその気象への影響について、以下にまとめます。

温暖コンベヤーベルト(WCB)の要点

  1. 流入位置: 発達中の温帯低気圧の南西側(または南東側)から流入します。
  2. 性質暖かく湿った空気(暖湿気)の流れです。
  3. 移動経路: 地上付近から始まり、温暖前線に沿うように、またはその上を乗り越えるようにして、極方向(通常は北東方向)へ上昇しながら移動します。
  4. 気象現象の形成:
    • 温暖前線の形成: 温暖前線付近で寒気の上に乗り上げることにより、温暖前線面に沿った広範な降水域や雲域を形成します。
    • バルジ(Bulge)/ コンマ型雲: 衛星画像上で、低気圧の中心に向かって南から北に膨らむような、特徴的なS字型またはコンマ型の雲域(バルジ)を形成します。この形状自体がWCBの可視化された姿と言えます。

まとめると、WCBは「温帯低気圧にエネルギーと大量の水分を供給し、広範な雨や雪をもたらす主要な暖湿気の通り道」です。

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